町・県民税の所得控除計算方法
町・県民税について
町・県民税の所得控除とは
所得控除は、納税者の扶養状況や病気、災害などによる出費があるかどうかなど、その納税者の実情に応じた税負担を求めるために所得金額から差し引くことになっている控除の総称です。
所得控除には、医療費控除や社会保険料控除、生命保険料控除、障害者控除、扶養控除、基礎控除などの15種類があります。
町・県民税と所得税では控除の種類は概ね同じですが、税金の性格上の理由から、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除以外については控除額が低くなっています。
雑損控除
雑損控除とは、納税義務者又は生計を一にする配偶者やその他の親族の方(本人以外は所得が48万円以下の方のみ)が災害、盗難又は横領によって 生活用資産などに損害を受けた時(詐欺や強迫によるものは含みません)に、以下の計算式で求めた金額を所得から控除するものです。
計算方法
次の1または2のいずれか多い方の金額
- 1.(損失(時価)の金額-保険等での補てん額) - (総所得金額の10%相当額)
- 2.(災害関連支出金額-保険等での補てん額)-5万円
災害関連支出金額とは災害等に関連して住宅家財等の取壊しや除去にかかった費用です。
申告の際に添付または提示する書類など
- 災害関連支出の金額(盗難、横領に関する支出金額を含む)が分かる書類
- 被害を受けた住宅家財等の明細(資産内容、取得時期、取得価格等)が分かるもの
- 損害に対し、保険金等によって補てんされる金額が分かる書類
医療費控除
医療費控除とは、自己又は生計を一にする配偶者やその他の親族の方のために医療費を払った場合は、以下の計算式で求めた金額を所得から控除するものです。
医療費控除の上限は200万円となります。また、医療費の主な可否ついては下表のとおりです。
医療費の対象になるもの
- 医師、歯科医師に支払った診療費、治療費
- 治療、療養のために必要な医薬品の購入
- 病院、診療所や助産所へ支払った入院費、入所費
(介護老人保険施設、特別養護老人ホーム等を含む) - 治療のためにあんま、マッサージ、指圧、はり、きゅう、柔道整復で払った施術費
- 療養上の世話を受けるために、特に依頼した方に支払った療養上の世話費用
- 保健師や看護士等に療養上の世話を受けた費用
- 以下の費用で医師等の診療、治療などを受けるために直接必要なもの
- 通院費用(原則公共交通機関によるもののみ)、入院の部屋代や食事代、医療用器具の購入代や賃借料の費用で通常必要なもの
- 義手、義足、松葉づえ、補聴器、義歯などの購入費用
- 身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などの規定により地方公共団体に支払う費用のうち、医師などの診療費またはa、bに該当するもの
- おむつ使用証明書が発行されている場合のおむつ代
- ストマ用装具使用証明書が発行されている場合のストマ用装具代
- 温泉療養証明書が発行されている場合のクアハウス(厚生労働大臣認定に限る)利用料
など
医療費の対象にならないもの
- 容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどの目的で支払った整形手術の費用
- 健康増進や疾病予防などのための医薬品の購入費
- 人間ドックなど健康診断のための費用
(健康診断の結果、重大な疾病が発見され、引き続き治療を受けた場合を除く) - 親族に支払う療養上の世話の費用
- 日常生活の用を足すための眼鏡、義手、義足、松葉づえ、補聴器などの購入費用
など
計算方法
(その年に支払った医療費合計 - 保険等で補填される金額) - (10万円またはその年の総所得金額の合計の5%の小さい額) = 医療費控除
申告の際に添付または提示する書類など
医療費控除の明細書
セルフメディケーション税制
健康の維持増進及び疾病の予防への取組として「一定の取組」を行っている納税者が、平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品等購入費をその年中に1万2千円以上支払った場合には、一定の金額の所得控除(医療費控除)を受けることができる制度です。
ただし、セルフメディケーション税制による所得控除と、従来の医療費控除の、両方を同時に利用することはできませんので、どちらを適用するかを、ご自身で選択していただく必要があります。
対象者
この適用を受けるためには、納税義務者本人が次のいずれかの「一定取組」を行っている必要があります。
- 保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査(人間ドッグ、各種健診等)
- 市町村が健康増進事業として行う健康診査(骨粗鬆症検診等)
- 予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種)
- 勤務先で実施する定期健康診断(事業主検診)
- 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)又は特定保健指導
- 市町村が実施するがん検診
計算方法
対象医薬品の購入金額 - 12,000円 = 控除額(限度額:88,000円)
申告の際に添付または提示する書類など
セルフメディケーション税制の明細書
社会保険料控除
社会保険料控除とは、自己又は生計を一にする配偶者やその他の親族の方が負担すべき社会保険料を支払った場合、または給与や年金等から差し引かれたりした場合は、その支払った金額が全て所得から控除できます。
なお申告される方以外の方の公的年金等から、直接差し引かれている介護保険料や後期高齢者医療の保険料は、申告者の控除対象にはなりませんのでご注意ください。
社会保険料控除の対象となる保険料の主なものは以下のとおりです。
社会保険料控除の対象となる社会保険
- 健康保険の保険料
- 国民健康保険料(税)
- 後期高齢者医療制度の保険料
- 介護保険料
- 雇用保険料
- 国民年金保険料と国民年金基金の掛金
- 農業者年金の保険料
- 厚生年金保険料と厚生年金基金の掛金
- 公務員共済組合の掛金
など
計算方法
その年に支払った社会保険料の合計 = 社会保険料控除
申告の際に添付または提示する書類など
- 国民年金や国民年金基金の掛金を支払った場合は支払い証明書
(年末調整で控除されたものは不要) - 上記以外のものについては支払い金額がわかるもの(通帳や支払い金額のお知らせなど)
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済等掛金控除とは、小規模企業共済法規定の共済契約による掛金を支払ったり、給与や年金等から差し引かれたりした場合は、その支払った金額が全て所得から控除できます。
計算方法
その年に支払った小規模企業共済等掛金の合計 = 小規模企業共済等掛金控除
申告の際に添付または提示する書類など
小規模企業共済等掛金を支払った場合は支払い証明書・領収書(年末調整済みのものを除く)
生命保険料控除
生命保険料控除とは、一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料などで、受取人を本人又は配偶者、親族として保険料を支払った場合は、その支払った金額を基に下記の計算した金額が所得から控除できます。
計算方法
支払った保険料 |
控除額 |
---|---|
12,000円まで |
支払った保険料と同額 |
12,001円~32,000円 |
支払った保険料×2分の1+6,000円 |
32,001円~56,000円 |
支払った保険料×4分の1+14,000円 |
56,001円~ |
28,000円(控除限度額) |
支払った保険料 |
控除額 |
---|---|
15,000円まで |
支払った保険料と同額 |
15,001円~40,000円 |
支払った保険料×2分の1+7,500円 |
40,001円~70,000円 |
支払った保険料×4分の1+17,500円 |
70,001円~ |
35,000円(控除限度額) |
- 新契約と旧契約の両方を支払っている場合、一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料それぞれで、新契約分の控除額と旧契約分の控除額の合計額となります。(限度額は2万8,000円)
- 一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料の控除額の合計額が控除額となり、上限は7万円になります。
申告の際に添付または提示する書類など
保険会社から発行された控除証明書(年末調整済みのものを除く)
地震保険料控除
地震保険料控除とは、損害保険契約などで、自己や生計を一にする配偶者やその他の親族の方の所有する家屋や生活用動産を対象とし、地震等を原因とする損害を補てんする保険等の保険料を支払った場合に、その支払った保険料の合計額を所得から差し引くことができます。この控除の上限は25,000円となっています。
また、経過措置として平成18年12月31日までに締結された(旧)長期損害保険料(保険期間が10年以上で満期返戻金のあるもの)について平成19年1月1日以降に契約変更がされていないものについてもこの控除の対象となり、この保険料についての控除の上限は10,000円となっています。
地震保険料と(旧)長期損害保険料が両方ある場合はその合計額が控除額となり、上限は25,000円となっています。それぞれの計算方法は下記のとおりです。
計算方法
支払った保険料 |
控除額 |
---|---|
50,000円まで |
支払額全額 × 2分の1 |
50,001円~ |
25,000円(控除限度額) |
支払った保険料 |
控除額 |
---|---|
5,000円まで |
支払った保険料と同額 |
5,001円~15,000円 |
支払った保険料×2分の1+2,500円 |
15,001円~ |
10,000円(控除限度額) |
地震保険料と旧長期損害保険料を両方支払っている場合は、地震保険と旧長期損害保険の控除の合計額になります。(限度額は2万5,000円)
地震保険料控除の注意点
一つの保険契約に対して地震保険料と(旧)長期保険料の二つの内容が含まれている場合は、その内のどちらかの保険料しか控除対象となりません。
申告の際に添付または提示する書類など
地震保険料と(旧)長期保険料それぞれの控除証明書(年末調整済みのものを除く)
勤労学生控除
勤労学生控除とは、前年の12月31日の現況で本人が勤労学生に該当する場合、所得から控除できるものです。
勤労学生に該当するかどうかは下記の条件を全て満たす必要があります。
勤労学生の範囲
- 自己の勤労に基づく給与所得等(事業、雑所得など)がある方
- 合計所得金額が75万円以下の方
- 合計所得金額のうち給与所得以外の所得が10万円以下の方
- 以下に掲げる生徒または児童、学生の方
- 学校教育法第1条に規定する学校の学生、生徒または児童
- 国や地方公共団体又は私立学校法第3条に規定される学校法人、私立専修学校等またはこれらに準じる学校の生徒
- 職業訓練法人の行う認定職業訓練を受け、一定の課程を履修している学生
控除金額
勤労学生に該当する場合…26万円
申告の際に添付または提示する書類など
上記b又はcに該当する場合は、学校から交付される証明書
障害者控除
障害者控除とは、前年の12月31日の現況で自己または控除対象配偶者や扶養親族のなかで障害者の方がいる場合、その障害者1人につきその障害の程度に応じて決められた金額を差し引くことができるものです。
障害の程度に応じて普通障害者、特別障害者に区分されています。控除の金額、区分の方法等については下記のとおりです。
障害者の区分 | 障害の程度 | 控除額 |
---|---|---|
特別障害者 |
(詳細については介護保険係にお尋ねください) |
30万円 |
一般の障害者 |
(詳細については介護保険係にお尋ねください) |
26万円 |
同居特別障害者 | 53万円 |
申告の際に添付または提示する書類など
各障害者手帳(要介護認定の方は市町村発行の『障害者控除対象者認定書』)
ひとり親控除
ひとり親に対して性別や婚姻歴の有無による差を無くし公平な課税を行うことを目的に、従来の寡夫控除(男性)が廃止され「ひとり親控除」が創設されました。また、寡婦控除(女性)の適用要件が見直されました。
該当条件
- 現に婚姻をしていない方や、配偶者の生死が不明な方
- 生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有する方
- 合計所得金額が500万円以下の方
控除額
30万円
寡婦控除
納税者自身が寡婦であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを寡婦控除といいます。
該当条件
ひとり親に該当しない方で、下記のいずれかに該当する方
- 夫と死別後婚姻をしていない方や、夫の生死が不明な妻で、合計所得金額が500万円以下の方
- 夫と離婚後婚姻をしていない方で、子以外の扶養親族(総所得金額等が48万円以下)を有し、かつ合計所得金額が500万円以下の方
控除額
26万円
配偶者控除
配偶者控除とは、前年の12月31日の現況で納税義務者に控除の対象となる配偶者がいる場合に、その配偶者の年齢や状況に応じて所得から一定の金額を控除するものです。
控除対象配偶者とは、納税義務者の夫または妻であって、生計を一つにしており、前年の合計所得金額が48万円以下の方をいいます。また、この控除に該当する夫または妻とは内縁関係にある方は該当しません。
なお、納税義務者が青色事業専従者や事業専従者として配偶者に対して給与を支払っている場合はこの控除の対象とはなりません。
納税者本人の所得金額 | 900万円以下 | 900万円~950万円以下 | 950万円~1,000万円以下 | |
---|---|---|---|---|
配偶者控除 | 一般 | 33万円 | 22万円 | 11万円 |
老人 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
(注意)老人とは控除対象配偶者のうち70歳以上の者をいう。
配偶者特別控除
配偶者特別控除とは、前年の12月31日の現況で納税義務者に配偶者がいる場合に、その配偶者の所得状況に応じて所得から一定の金額を控除するものです。
なお、下記に該当する場合はこの控除には該当となりません。
配偶者特別控除の摘要除外となる方
- 配偶者控除を受けている方
- 配偶者の前年の合計所得金額が133万円以上ある方
- 納税義務者の前年の合計所得金額が1,000万円超の方
- 生計を一つにする配偶者が次のいずれかに該当する方
- 他の納税義務者の扶養控除を受けている場合
- 青色事業専従者の方で青色事業専従者給与を支払われている方
- 白色事業専従者の方
- 配偶者が納税義務者を配偶者特別控除の対象としている方
(相互に控除の適用を受けられない)
配偶者の合計所得金額 | 本人の合計所得 金額900万円以下 | 本人の合計所得金額 900万円超~950万円以下 | 本人の合計所得金額 950万円超~1,000万円以下 |
---|---|---|---|
48万円超~100万円以下 | 33万円 | 22万円 | 11万円 |
100万円超~105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 |
105万円超~110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 |
110万円超~115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 |
115万円超~120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 |
120万円超~125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 |
125万円超~130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 |
130万円超~133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
扶養控除
扶養控除とは、前年の12月31日現在で生計を一つにする親族(配偶者を除く)で合計所得金額が38万円以下である方を扶養していることで受けられる控除です。
親族の年齢や状況等に応じて、扶養親族一人につき下表の控除が受けられます。
控除額
- 一般の扶養親族…33万円
- 特定扶養親族(19才以上23才未満)…45万円
- 老人扶養親族(70才以上)…38万円
- 同居老親等扶養親族(70才以上の父母等)…45万円
- 15歳以下の扶養親族については、年少扶養として扱われ、控除額はなくなりました。
申告の際に添付または提示する書類など
扶養親族が障害者の場合はそれが確認できるもの(障害者控除を参照)
基礎控除
所得金額の合計額(繰越損失控除前)に基づき、次の表で求めた金額
前年の合計所得金額 | 控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 43万円 |
2,400万円超~2,450万円以下 | 29万円 |
2,450万円超~2,500万円以下 | 15万円 |
2,500万円超 | 0円 |
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更新日:2023年03月01日